17帯状疱疹ワクチン
50歳以上の人は、ワクチンを接種することによって帯状疱疹を予防することができます。
日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜伏することによってできる「抗体」を有しています。
これは、多くの人が子供の時に感染する水ぼうそうが、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によるもので、感染したウイルスは、水ぼうそうが治った後も、症状を出さない状態で潜み続けています。
このように、子供の時に水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した人は、このウイルスに対する免疫を持っていますが、獲得した免疫は年齢とともに弱まり、帯状疱疹を発症してしまうリスクが高くなる傾向があります。
また、一度、帯状疱疹になった人でも、体の免疫力が低下すると再びなる可能性があります。
帯状疱疹に適用のある2種類のワクチンがあります。
「弱毒性水痘ワクチン」は、1987年に水痘(水ぼうそう)ワクチンをして認可され2016年に帯状疱疹にも適応が拡大されました。
「シングリックス」は2020年1月に帯状疱疹専用の予防接種として認可されたものです。
それぞれに長所、短所がありますので比較表示します。
乾燥弱毒生水痘ワクチン | シングリックス | |
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帯状疱疹発生抑制効果 | 51.3% | 50歳以上 97.2% 70歳以上 89.8% |
帯状疱疹後神経痛抑制効果 | 66.5% | 50歳以上 100% 70歳以上 85.5% |
接種方法/回数 | 皮下注射/1回 | 筋肉注射/2回 |
接種間隔 | - | 1回目の接種から2か月後に2回目の接種を行う。 ※2か月を超えたら6か月後までに2回目の接種を行う。 |
適用年齢 | 50歳以上 | 50歳以上 |
費用 | 10,000円 | 46,000円 ※2回分の費用合計 1回23,000円 |
副反応 | 接種部位の痛み、腫脹、発赤 ※3日~7日で消失 |
接種部位の痛み、腫脹、発赤、筋肉痛、倦怠感、頭痛 ※3日~7日で消失 ※水痘ワクチンより副反応が強く出る可能性あり |
長所・短所 | 長所 ・費用が安い ・接種回数が1回 短所 ・予防効果が落ちる ・免疫低下している方には接種できない |
長所 ・予防効果が高い ・免疫低下している方にも接種できる 短所 ・費用が高い ・接種回数が2回 ・副反応が比較的強い |